こんにちは。 インプラント、審美歯科の保土ヶ谷オグラ歯科医院院長です。
地震で被害に遭われた方々に慎んでお見舞い申し上げます。
皆さん、ビスフォスフォネート製剤(BP製剤)というのをご存知でしょうか。
これは骨粗鬆症の治療薬として整形外科で出されている薬剤です。
当然骨密度の検査をして骨粗鬆症の診断が下りた時に処方されるものです。
しかし、その副作用として顎骨の破壊、吸収壊死が起きてしまう怖いものなのです。
と言っても、全ての患者さんに起こるものではなく、服用している患者さんに抜歯、切開などの外科的処置を施した時にまれに起こるものです。
患者さんの中には「そろそろ骨粗鬆症の年齢だから予防のために薬を飲んでおいたほうが良い」と言われ、整形外科で処方していただいたと言う患者さんが多いようです。
ちょっと待って!
保険治療は病気を治す為にあるもので、予防だと保険がきかないはず。
なのに保険で処方していると言うことは、「骨粗鬆症」という病名をつけてむりやり保険適応として投薬していることになります。
整形外科医と患者さんとの間にトラブルがないのであれば、保険請求の問題がどうのこうのととやかく言うつもりはありませんが、副作用のことも考えていただきたいですね。
BP製剤を服用されている為、歯を抜かなければならない時、切開をしなければならない時にできない。
簡単に言うと、痛い時に治療が出来ないということになります。
錠剤を服用している方は概ね3ヶ月間薬をやめていただき、体内にその成分が残留しなくなってから抜歯、切開などを行うことになります。
ある患者さんにこの話をしたら整形外科の先生に伝えたところ、「やめてもいいけど骨が折れても責任はとれないよ」などと脅されたそうです。
今日もインプラントのオペを行う予定の患者さんがBP製剤を服用されていたので、お話をして延期することにしました。
痛い時に治療してもらいたいというのは患者さんなら誰でも思うことでしょう。
しかし、整形外科医の「歯ぐらいで…」というエゴで痛いのを我慢している患者さんもいることをちょっとは考えて欲しいものですね。
そして、患者さんも何が正しいのかしっかりと話を聞いて判断していただきたいと思います。